過積載防止のアイディア5選
近年ニュースでも大きく取り上げられているように、過積載は危険な違法行為です。
重大な事故につながっている事例があり、国土交通省も過積載の取り締まりを厳しく行っています。
さらに、過積載は法律に違反していることに加えて、道路や橋等の劣化を引き起こす原因です。
今回の記事では、「過積載とはなんなのか」から「過積載をしてはいけない理由」や、「過積載を防ぐ方法を5つ」解説していきます。
創意工夫の事例としても活用できるので、ぜひ最後まで読んでください。
監修者 栗山秀樹
株式会社ワクワーク創業者|栗山工業株式会社 代表取締役|建設業界19年| ICT歴3年|茨城県の美浦村で建設会社の経営してます|YouTube、XでICTの魅力を発信中!
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執筆者 石井淳嗣
株式会社ワクワーク代表取締役|株式会社美浦クリーン代表取締役
- 目次
・過積載とは
・過積載防止の必要性と過積載をしてはいけない理由
・違法行為
・劣化の原因になる
・過積載防止アイディア5
・過積載防止アイディア5選 【まとめ】
過積載とは
過積載とは、車両に定められた最大積載量を超える荷物を載せた状態で走行することです。
道路交通法や貨物自動車運送事業法に反する違法行為であり、以下のような危険をはらんでいます。
・制動距離が長くなる
・事故時の衝撃が大きくなる
過積載防止の必要性と過積載による影響
過積載は違法行為であり、過積載を行うことで社会的に様々は影響を与えます。
・通行する道路等の老朽化を早める
といったことに繋がる社会問題です。
過積載の罰則
過積載は違法行為であるため、罰則の対象になります。
最大積載重量の超過は道路交通法違反にあたり、罰則は以下のとおりです。
違反点数 | 反則金 | |
---|---|---|
過積載の割合が5割未満 | 2点 | 3万円 |
過積載の割合が5割以上10割未満 | 3点 | 4万円 |
過積載の割合が10割以上 | 6点(免許停止) | 6ヶ月以下の懲役 または10万円以下の罰金 |
さらに、道路法でも罰則の対象になります。
過積載をした車両を通行させた場合は、道路法第104条の100万円以下の罰金です。
先ほどの道路交通法も道路法の違反も運転手だけでなく、運送会社も罰則の対象になりますので、注意してください
劣化の原因になる
過積載をしてもバレなければいいと思うかもしれませんが、長期的に考えると自分たちの首を絞めることに繋がります。
過積載をした車両が道路を走ることで、舗装や橋の老朽化を促進させるからです。
独立行政法人 日本高速道路保有・債務返済機構によると橋梁のコンクリート床版に軸重20t(通常の2倍)の車両が通行すると、なんと4,000台分の疲労が蓄積されると試算されています。
過積載の車両が通行すると、その分、道路の老朽化が進行してしまいます。
インフラを傷つければ、補修が必要になり、その分税金が必要です。
少子高齢化も進んでいる中、インフラの補修費用が増加すれば、増税に繋がる要因になります。
長期的に考えても、まわりまわって自分たちの首を絞める要因になるので、過積載はNGです。
過積載防止アイディア5選
・自重計
・トラックスケールの導入
・監視人の設置
・ICT建機の使用
目視による確認
過積載防止の方法の1つめが、過積載の目安を人の目で確認する方法です。
この方法のメリットは大きな費用がかからないということ。
実際に、 違反車両をチェックしている警察官も目視で確認をしています。
具体的な方法としては、ダンプの積載荷重に対して、運搬する建設資材 (土砂・砕石・アスファルト合材など) の比重と荷台の面積から、積み込める高さが算出できます。
荷台の大きさ:22m²
土の比重:2.0t/m3計算方法 : 積載重量:土の比重荷台の大きさ=積載可能高さ
10(t)÷2.0÷22=0.227mつまり、荷台から22cmまでは土の積み込みができるという計算になります。
現場では、算出した高さを超えないように積み込みを行います。
現場では、積み込み高さ可能な高さを伝える方法として、ラミネート加工した紙を貼って示すのが一般的です
自重計による計測
大型ダンプには、積み荷の重量を計測できる”自重計”とよばれる装置がついています。
自重計の設置はダンプカー使用者の義務です。
ダンプ規制法という法律でダンプカーの使用者は自重計が義務付けられているので、どのダンプにも自重計はついています。
精度良く計測するためには、ダンプを極力水平にするなどの条件があるのですが、新しい計測機器を導入するなど、特別な費用がかからないので効果的な施策です。
図-2 自重計(アナログ指示機構の例)
引用:https://www.pref.nagano.lg.jp/gijukan/infra/kensetsu/gijutsu/documents/221001kyou13.pdf
トラックスケール
正確に計測する方法は、トラックスケールの導入です。
工事現場からダンプで搬出する際に、すべてのダンプを計測するのは手間がかかるかもしれませんが、トラックスケールを用いることで正確には計測できます。
トラックスケールで計測している状況写真を撮ることで、実施している証拠として示すことができます。
実際に、実施する際には状況写真を撮ることを忘れないように気をつけてください。
監視人の設置
過積載防止ために、運搬物の積み込みや積載量を監視する監視人または運行の責任者を定めるのも効果的な試作です。
積載に関して定めたルールや、 荷姿を確認する人を定めて、 実際の運行状況を監視します。
こちらも費用がかかる施策なので、創意工夫の事例として、提案してみてはいかがでしょうか?
ICT建機の使用
いままで紹介したのはどちらかというとアナログな手法でしたが、最後に紹介するのがICTを活用した最新の手法です。
ICT 技術のペイロードメータ油圧ショベルという技術を用いることで、パケットの重量を計測することができます。
この技術は各センサーの情報から作業機の動きを特定することで、操縦席に設置したタブレットへ情報を伝えることで、重機のオペレーターがパケットに入っている重量を把握できるという仕組みです。
その結果、 バケット1杯ごとに積載量や満載までの残量が可視化できるので、過積載の防止に繋がります。
過積載防止アイディア5選まとめ
以上、 工事現場で活用できる過積載防止アイディア5選について解説しました。
今回紹介した事例を活用して、過積載の部押しに繋がり、創意工夫の点数UPに繋がれば幸いです。
ちなみに、 最後に紹介したICT建機の利用も、実は思ったより費用がかからないのをご存じですか?
でも、ICTって実際に導入しようとすると
「耐久性とかどうなのかな?」
「機械を設置するのにどれくらいに時間がかかるの?」
「どこに頼めばいいの?」
なんて疑問があると思います。
弊社株式会社ワクワークならそういった疑問にすべてお答えします。
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