丁張りのかけ方や計算方法・作業手順を徹底解説!

技術者

丁張ってどうやってかければいいの?

本記事は、こんな疑問を持っている方にぴったりな記事です。
丁張って土木の工事で非常に重要な作業ですが、教科書のような書籍は存在せず、先輩から口頭で教えてもらう方が多いと思いですよね。
なので、本記事では、丁張の種類や丁張のかけ方、丁張をかけるのに必要な道具を一通り紹介します。
一人で丁張をかけることができるかどうかは、一人前の土木技術者かどうかの大きな分岐点になるので、しっかりと勉強しましょう。
なお、本記事の最後の方には、丁張をかけなくても施工ができる方法を解説しているので、ぜひ最後まで読んでください。

監修者 栗山秀樹

株式会社ワクワーク創業者|栗山工業株式会社代表取締役|建設業界19年| ICT歴3年|茨城県の美浦村で建設会社の経営してます|YouTubeXICTの魅力を発信中!

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執筆者 石井淳嗣

株式会社ワクワーク代表取締役|株式会社美浦クリーン代表取締役

  • 目次

・丁張とは
・丁張をかける理由
・丁張の種類
 丁張の種類①トンボ
 丁張の種類②門型
 丁張の種類③法丁張
・丁張のかけ方と必要な道具
 丁張をかけるのに必要な道具
 丁張のかけ方①トンボ
 丁張のかけ方②門型
 丁張のかけ方③法丁張(切土)
 丁張のかけ方④法丁張 (盛土)
・丁張なしで施工する方法
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丁張とは

 

丁張とは、工事現場において準備の段階で、 木枕や貫板、 水糸を用いて施工を行う上で基準となる仮設の構造物です。

工事目的物を作るうえでポイントになるのは、 “位置と高さ”です。

平面的な位置X、Yに、高さの軸Z。
土という材料で工事目的物をつくる工事では、このX, Y, Z を現場に表現 (可視化)するのが丁張になります。

栗山秀樹

ちなみに、「丁張」という言葉は、土木の分野における言葉で、建築では「遣り方 (やりかた)」と呼ばれます。

 

丁張をかける理由

 

丁張をかける理由は、 現場で完成物のイメージを工事関係者で共有できるから。

これが一番の理由です。
丁張をかけることで、現場に構造物を構築する位置と高さを可視化することができ、測量ができない人でも誰もが一目で見て工事目的物をイメージできます。
それに加えて、理由がもう一つ。

それは丁張りをかけることで、監督が現場から離れることができます。

丁張りをかければ、監督は現場から離れることができる

 

なぜなら、丁張があることで誰でもスケールなどで簡単に確認できるから。

正直、現場に監督者が張り付いて、その都度、現場の掘削状況や盛土の状況に合わせて測量をするのであれば丁張は不要です。
しかし、忙しい現場監督が現場につきっきりで測量をずっとしているのは現実的ではありません。
丁張をかけることで、現場から離れることができ、その時間を別の管理にあてることができます。

 

丁張の種類

 

丁張の種類を解説します。丁張の種類はは大きく分けて3つです。

・トンボ
・門型
・法丁張

 

それぞれの特徴について解説します。

 

丁張の種類 ①トンボ

 

土木工事の丁張①トンボ

 

一番簡単な丁張で、見た目がトンボのような形をしていることから” トンボ” と呼ばれます。

 

土工事で頻繁に用いられる丁張です。

法尻や法肩など、位置と高さを示したいときに使います。

 

丁張の種類 ②門型

 

土木工事の丁張②門型丁張

 

側溝などを据えるときに用いる丁張で、木杭2本に貫板をかける形が門の形に似ていることから門型丁張と呼ばれます。

 

横にかかる貫板の高さで高さを示し、貫板に釘を打ち位置を示します。

 

丁張の種類 ③法丁張

 

法面の位置と向きを示す丁張です。

丁張りをかけるのに一番難易度が高く、手間がかかる丁張になります。

 

栗山秀樹

とはいえ、慣れが必要なだけで、それほど難しいわけではありません。
計算も結局は四則演算の足し算、引き算、掛け算、割り算です。

 

かけ方については、後ほど詳しく解説します。

 

丁張のかけ方と必要な道具

 

丁張のかけ方と必要な道具について解説します。丁張の種類によってかけ方が異なるので、一緒に解説はできません。

 

なので、種類ごとに分けてかけ方を写真と図解を交えて解説します。

まずは、丁張をかけるのに必要な道具を紹介しますね。

 

丁張をかけるのに必要な道具

 

丁張をかけるのに必要な道具は、 丁張の種類によって異なりますが、基本的には以下の通りです。

・木杭、貫板
・スプレー、鉄ピン、釘、鋲
・かけや、スケール、水平器、 スラント、指金
・ハンマー、手のこ
・水糸

 

木杭をかけやで打ち込み、貫板をハンマーで打ちつけます。

水平や傾斜を調べるために、水平器やスラントも必要です。

 

では、次から丁張の種類に応じて、かけ方を詳しく解説していきます。

 

丁張のかけ方 ① トンボ

 

トンボの役割は、現場に“位置”と”高さ”を示すこと。この大前提を踏まえて、丁張のかけ方を解説します。

 

STEP1 測量して位置を出す

高さを出す位置を決めて、スプレーや鋲、釘などで位置を出します

トンボ
STEP2 木杭を打ち込む

位置を出したい位置に、木杭を打ちます。

注意: 木杭はできるだけ、垂直に打ちましょう

トンボ
STEP3 貫板の高さを決める

レベルを用いて杭頭を測定します。

測量した地点における設計の高さと、現地測量した結果から、貫板の高さを決める (仮をいくつにするのか)

トンボ
計算例
杭頭EL        = 10.250
設計値 EL    = 9.900
貫板の下端      = 10.250 – 9.900
= 0.350

 

つまり、杭の頭から350下が設計の高さです。なので、仮200の高さで貫板をかけるなら、木杭の天端から150下に貫板の下端が来るように貫板をかけます。

丁張のかけ方 ② 門型

 

門型丁張は、現場にU字溝やL形側溝などを摂津する際に使用する丁張です。

この大前提を踏まえて、 丁張のかけ方を解説します。

STEP1 測量して位置を出す

構造物の位置を出します。

門型丁張
STEP2 木杭を打ち込む

STEP1で出した位置と、構築する構造物の幅を考慮して、その位置を跨ぐように、木杭を2か所に打ちます。

門型丁張
STEP3 貫板の高さを決める

レベルを用いて杭頭を測定します。

測量した地点における設計の高さと、現地測量した結果から、貫板の高さを決める (仮をいくつにするのか)

門型丁張

計算例
杭頭EL       = 10.300
設計値 EL   = 9,900
貫の下端     = 10.300-9,900
=0.400

つまり、杭の頭から 400下が設計の高さです。
なので、仮200の高さで貫板をかけるなら、木杭の天端から200下に貫板の下端が来るように貫板をかけます。

STEP4 貫板に位置を出す
最初に出した位置を貫板に移す
水平器を用いて、貫板にしるしをして、釘を打ちます
門型丁張

丁張のかけ方③法丁張 (切土)

 

切土の法丁張は3Dで現場を捉える必要があります。

ポイントは、「どの位置」に「どの高さ」で「どの向き」で切り出しが始まるのか。

 

そして、勾配の角度は何割何部なのかです。

 

まずは、これをしっかりと自分でも把握します。

 

STEP1 法肩の位置を出す
まずは、 高さに関係なく位置をだします。
※後ほど向きも必要になるので、向きを示す位置も出しておきましょう
(例:切り出しから1m離れ)
法丁張
STEP2 木杭を打って水平貫をかける
水平貫を法肩の高さから200〜500くらいの高さにするのが一般的です。
法丁張
STEP3 法面に沿って貫板を設置する
測量した地点における設計の高さと、現地測量した結果から、貫板の高さを決める
(仮をいくつにするのか)
①水平貫に切り出しの位置を移します
②500上げたので、横に600ずらして水平貫の下端にしるしをします
③水平貫の下端のしるしを基準に斜めに貫板をかけます

法丁張

丁張のかけ方 ④法丁張 (盛土)

 

STEP1 法尻の位置を出す
法丁張
STEP2 木杭を打って水平をかける
※横質は盛土箇所に長めに張り出しておくと後の作業が楽です。
法丁張
STEP3 法面に沿って貫板を設置する
法丁張
法丁張

丁張なしで施工をする方法

丁張なしで施工をする方法

 

ここまで読んでくださったあなたも、

 

技術者

丁張をかけなくて済むならどれほど楽になるか・・・

技術者

令和の時代なのに、まだ丁張なんて昭和の作業をしているの?

 

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